古事記神話「古事記物語」89
大国主命
やきもちをやく須勢理比売 1
大国主命の正妻・須勢理比売(すせりひめ)
は、大国主命がよその国へ行くたびに、そ
の国の美しい女性を妃にすることが許せま
せんでした。
そんなうわさを耳にするたびに、須勢理比
売はやきもちをやきました。
とくに、越の国の沼河比売にたいするやき
もちは、ひどかったようです。
ある日。
須勢理比売のやきもちに手をやいた大国主
命は、倭へ行こうと思いました。
旅の支度をしていると、須勢理比売がやっ
てきて、「また、どこかへおでかけなの」
と嫌味をいいました。
つづく
童話