古事記神話「古事記物語」90
大国主命
やきもちをやく須勢理比売 2
大国主命は片手を馬の鞍(くら)にかけ、
片足を鐙(あぶみ)に入れて、こんな歌
を詠みました。
黒い衣を着て、水鳥のように胸元をみる。
そして、鳥が羽ばたくように、袖をあげ
さげしてみるが似合わない。
波が引いていくように、後に衣を脱ぎ捨
て、今度はかわせみの羽のような青い衣
を着てみる。
袖をあげさげしてみるが、この衣も似合
わない。
その衣を脱ぎ捨て、山の畑に蒔いた蓼藍
で染めた衣をきて、胸元をみる。
そして、袖をあげさげしてみると、この
衣はとてもよく似合っている。
つづく