古事記神話「古事記物語」


   海彦山彦 4


その上、兄が大切にしているつり
針をなくしてしまったのです。
「どうしよう。  あのつり針は、
兄さんが一番大切にしているもの。
おこるだろうな」
山彦は、しょんぼりして家に帰り
ました。



海彦も、一日中、山の中を歩きま
わりましたが、一匹も獲物をとる
ことができませんでした。



「山彦。おれのつり道具を返して
くれ」
「兄さん、ごめん。 つり針をなく
してしまった」


      つづく