明神さまの姿をみた少女


 明神さまの姿をみた少女 14


「ぴゅー」というここちよい風で、
少女ははっとわれにかえりました。
松虫草の花が風でかすかにゆれて
います。



何千匹といた赤いくじゃくちょうは、
どこへいってしまったのでしょうか。
あちこちさがしましたが、一匹もい
ません。
明神さまの所へ案内してくれた小鹿
も、どこにもいませんでした。


         つづく



「明神さまの姿をみた少女」は、
諏訪の童話集「風の神様からの
おくりもの」に収録されています。






「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集。


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html


2001年8月 鳥影社より発行。