2016-07-01 ふしぎな鈴 童話 じいちゃんとばあちゃん 4 小さく縮れていたせみの羽が、時 間がたつにつれ、だんだんにのび てきます。 体の色も、うすい茶色に変わって きました。 そして最後には、こい茶色になり ました。 二人は、羽が完全にのびきるまで、 じっとみていました。 「じいちゃん…」 かなは胸がつまり、何もいえません でした。 「かなもこのせみのように、おかあ さんのおなかから、生まれてきたの だよ」 おじいさんがぽつりといいました。 つづく