ふしぎな鈴


  じいちゃんとばあちゃん 4


小さく縮れていたせみの羽が、時
間がたつにつれ、だんだんにのび
てきます。
体の色も、うすい茶色に変わって
きました。
そして最後には、こい茶色になり
ました。
二人は、羽が完全にのびきるまで、
じっとみていました。



「じいちゃん…」
かなは胸がつまり、何もいえません
でした。
「かなもこのせみのように、おかあ
さんのおなかから、生まれてきたの
だよ」
おじいさんがぽつりといいました。


      つづく