ふしぎな鈴


 じいちゃんとばあちゃん 6


「じいちゃん、じいちゃん」
いくらよびかけても、おじいさん
は何も返事をしてくれません。



「じいちゃーん、じいちゃんはど
こー」
かなはおじいさんの家へ行くたび
に、おじいさんを探して歩きました。
でも・・・おじいさんはどこにもいま
せんでした。
「死ぬということは、姿がみえな
くなるということなのかしら」
かなはそう思いました。



いつも温かな心でかなに接してく
れたおじいさん。おじいさんとの
なつかしい思い出は、かなの心に
強く残りました。
「人はいつか死んでしまうのだな」
ということを、かなはおじいさん
の死を通して知りました。


       つづく