ふしぎな鈴


  朝顔エスカレーター 1


それから一年後。
残暑の厳しい九月五日のことでした。
大好きなおとうさんが、心臓病で急
になくなってしまいました。
しんきんこうそくでした。



「かな、おじいちゃんとおばあちゃ
んに、かわいがってもらったことを、
いつまでも忘れないようにね。元気
で明るく生きていくのだよ」
おとうさんはいいました。



そして、桃の実の形をした鈴を、か
なにくれました。
「リーン・リーン・コロンころん」
なんともいえないいい音がします。


        つづく