[童話]朝顔のエスカレーター
朝顔のエスカレーター 8
おとうさんがなくなってから、百日がすぎました。
初雪が降りました。
初めちらちら降っていた雪も、いつの間にかぼたん雪
にかわりました。
雪をみているうちに、かなは黄金色の鳥がおいていっ
た、黒い種のことを思いだしました。
かなは、机の奥から黒い種をだしてきて、手の上にそ
っとのせました。
すると・・・。
「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」
どこからか鈴の音が聞こえてきました。
「かなさん、元気ですか。その種は、朝顔の種ですよ。
外へでて、雪の上に種をまいてごらん」
どこからか声が聞こえてきました。
つづく