ふしぎな鈴


 校長先生と桜の鈴 8


「おとうさま、おとうさまー」とよぶ娘
の声まで、校長先生ははっきり思い
出しました。
「やはり、かなは私の娘だったのだ」
校長先生はそう確信しました。



「しかし、かなはまだ幼い。遠い
昔のことを話したところで、どう
なるものでもない。かなもいつか
私のことを知るだろう。その日が
くるまで、そっとしておこう」
校長先生はそう心に決めました。


       つづく