竜神になった三郎


   竜神になった三郎 18


湖はようやく氷がとけはじめたば
かりでした。
春の日をあび、湖はきらっきらっ
と輝いています。
三郎は、久しぶりの魚つりを、楽
しみにしています。



「三郎、もう少しむこうまでいこう」
太郎がいいました。
気のいい三郎は、ひっしに舟をこぎ
ました。
そして、やっと湖の真ん中あたりに
きました。



「三郎、疲れただろ。ご苦労だった
な。ここらでいいだろう。天気もい
いし、今日はたくさん魚がつれるぞ」
兄たちは、なぜか上きげんでした。


           つづく