竜神になった三郎


   竜神になった三郎 19


三郎はひっしで舟をこいできたの
で、うでが疲れていました。
「あーあ」
三郎がせのびをしようとたちあが
った時、兄たちは「それ、今だ」と、
目くばせしました。



「えいっ」
兄たちは、三郎を後から力いっぱい
おしました。
「あっ」
声をあげた時には、三郎はまっさか
さまに湖におちていました。



三郎の目にとびこんできたのは、う
ずをまいている水面でした。
うずはだんだんに大きく、強くなっ
てきました。


        つづく