竹取物語


帝、不死の薬を高い山で焼く 3


すると、ある人が、
駿河の国にある山が、都にも近
く、天にも近いといわれています」
と答えました。
帝が、歌を詠みました。



あふこともなみだにうかぶ我が身には


死なむ薬も何にかはせむ



かぐや姫からもらった不死の薬の
壺に手紙をつけて、御使に渡しま
した。
勅使の調(つき)の岩笠を呼び、駿
河の国にある山の頂きに、壺と手
紙を持っていくように、命令しま
した。


        つづく