竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 15


「私が、人間の国に生まれていた
ならば、二人といつまでも一緒に
暮らせたでしょう。ほんとうに残
念です。私が着ていた着物を、形
見に置いていくのでみてください。



月がでた夜は、月をながめてくだ
さいね。大切に育てていただいた
のに、このような形で、月に帰っ
て行くのは、心苦しく思います。
空から落ちてしまいそうな、そん
な気持です」



天人が持っている箱の中には、天
の羽衣が入っています。
また別の箱には、不死の薬が入っ
ていました。


         つづく