そして、右手に弓を持つと、弓を
つきたて、足が埋まるほど大地を
強くふみならしました。
すると、あたり一面に、庭の土が
粉雪のように飛び散りました。
戦う準備ができた天照大御神は、
須佐之男命がやってくるのを待ち
ました。
「弟よ。何をしにここへきたのだ」
「姉上。わしは、何もたくらんで
はいない。父が泣きわめいている
わけを聞いたので、大好きな母の
国へ行きたいといったら、さっさ
と出ていけと追いだされてしまっ
たのじゃ。それで、別れの挨拶を
しようとやってきたのだ。ただそ
れだけじゃ」
つづく