女神さまからのおくりもの


   それぞれの思い 10


しかし、清太は、きっぱりいいま
した。
「はい。私は、おじょうさまのこと
が大好きです」と。
「清太。おまえは、この家の使用
人だということを忘れたのか」
吉衛門が、強い口調でいいました。



「庄屋さまにいわれなくとも、私に
はよくわかっております」
「清太。おまえは、自分が何をい
っているのか、わかっているのか」
吉衛門は、腹がたってきました。
清太にというより、自分自身に腹
をたてていたのです。


      つづく