瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


瑠璃寺の青獅子 29


だから、わしは二度と外へでることはでき
ないとあきらめておったのじゃ。でも、お
まえが気づいてくれた。どんなにうれしか
ったか。


仏師よ、おまえはすばらしい仏師じゃ。わ
しは、おまえの志をついで、伊那谷の人々
をしっかり守っていこうと思う。仏師よ、
ほんとうにありがとう。心やすらかに眠っ
ておくれ。今度は、わしがおまえを守る番
じゃ」


すると、滝つぼの水面に、男が彫った獅子
頭がぽんと浮いてきました。


        つづく