竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 23


「ああ、いるとも。大昔は、どの人も、かなのように心
が美しかった。疑うことを知らない、むじゃきな人ば
かりだったのじゃ。だから、竜の姿をみることができ
た。どの人も、神様と話をすることができたのだよ」
「えっ、神様と話をすることができたの?」


「そうじゃ。どの人も、神様と話をすることができたの
じゃ。ところが、いつしか心に曇りができ、心が真っ
黒になってしまった。そのため、神様の姿をみること
も、神様と話をすることもできなくなってしまったのだ
よ」
かなは、ふしぎな思いで、おじいさんの話を聞いて
いました。
 

       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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