女神さまとの約束

[童話]女神さまとの約束


    女神さまとの約束 33


「だいじょうぶですよ。女神さまが守ってくれていま
すから。おとうさんと同じように、湯でひたした黄金
色の花びらで、おじいさんの体をやさしくさすって
あげてください。ふくさんのおじいさんだと思って、
世話をしてあげてくださいね。何日かすれば、おじ
いさんはおきあがることができるでしょう。じゃあ、私
はこれで帰ります」


「白駒。もう帰ってしまうの? 今夜はここにいて。お
願い」
ふくは、手をあわせ、白駒にお願いしました。
今にも死んでしまいそうな人と、二人っきりですごす
のかと思うと、ふくは不安でした。
「ふくさん。だいじょうぶですよ。明日朝早く、様子を
みにきます」
そういって、白駒は帰っていきました。


             つづく





童話「女神さまとの約束」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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