黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  13


明神さまは、黄金色のまゆ玉を手にするたびに、「諏
訪地方の人々が、無事でくらせますように。 そして、
人々が幸せになれますように」
「お米やあわ・豆・野菜などがたくさんとれますように」
「桑がすくすく育ち、よいまゆがたくさんとれますように」
と、祈りました。


それから三十年がすぎました。
「ねえ、あなた。ぼつぼつ二つ目のまゆ玉が授かるこ
ろね。今度黄金色のまゆ玉を授かったら、そのまゆ玉
を私にかしてくださらない?」
ある日、奥さんがいいました。
「ああ、いいよ。今度まゆ玉を授かったら、おまえにそ
のまゆ玉をかしてあげよう」
明神さまは、奥さんと約束しました。


             つづく