黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  15


「明神よ、わしのこどもを助けてほしい。おまえが持っ
ている黄金色のまゆ玉を手にすると、どんな病気でも
なおるというではないか。そろそろ次のまゆ玉が授か
るころだね。次のまゆ玉が授かったら、そのまゆ玉を、
しばらくわしのこどもにかしてほしい。なあ、頼む。明
神」
「そういわれてもな。実は、次のまゆ玉が授かったら、
妻にかしてあげると約束してしまったのじゃ」


「そのまゆ玉を、ゆずってくれといっているわけではな
い。こどもの病気がなおるまで、かしてほしいとお願い
しているのだ。な、頼む。このとおりだ」
友だちは、何度も何度も頭をさげ、明神さまにお願い
しました。
明神さまは困ってしまいました。


             つづく