竜の姿をみた少女


    竜の姿をみた少女12 


「おじいさん。とうちゃんもね、しらかば湖には
竜がいるかもしれないよって、いっています」
「そうか。かなとおとうさんは、竜がいると信じ
ているのか」
おじいさんは、にっこり笑いながらいいました。
「かな。今日は、いいものをみせてあげよう。ち
ょっと待っていておくれ」
そういうと、おじいさんはどこかへ消えてしまい
ました。


 
「がばっ」
「がば、がばっ」
「ばしゃっ」
遠くで大きな音がしました。
そして、湖に大きな波がたちました。
「なんだろう?」
よくみると、湖のむこうから、竜らしきものが近
づいてきました。
あさぎ色とよばれる、うすい黄色の竜でした。
竜の体には、銀色のうろこがたくさんついていま
す。そのうろこが、太陽にあたって、ぴかっぴか
っと光っていました。


   つづく



「竜の姿をみた少女」は、みほようこの二冊目の童話集・
竜神になった三郎」の続編。



竜神になった三郎」は、2004年4月、七年に一度
おこなわれる諏訪大社の「御柱祭」にあわせ、「鳥影社」
から発行されました。




竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)

竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)