竜の姿をみた少女


     竜の姿をみた少女15


「修行場って?」
「人間のこどもも、幼稚園や学校へ行くだろ。それ
と同じような所じゃ。池の修行場へ行きいろいろな
ことを学ぶと、体の色がだんだんに黒くなってくる。
何百年も修行をすると、体の色が灰色になってくる
のじゃ。さらに修行をつむと、蒼色になる」



「おじいさん。蒼色の次は、どんな色になるの?」
「わしのような色、あさぎ色になるのじゃ。あさぎ
色になるには、長い間きびしい修行をしなくてはな
らないのだよ」
「どの竜も、体の色が次々に変わるのですか」



「いや、中には、ずっと黒いままの竜もいる。どの
くらい修行をしたかによって、体の色が変わってく
るのじゃ」
「おじいさん。最後は、どんな色になるの?」
「最後の色か・・・、かなはいろいろなことに興味
があるのだね」


   つづく



「竜の姿をみた少女」は、みほようこの二冊目の童話集・
竜神になった三郎」の続編。



竜神になった三郎」は、2004年4月、七年に一度
おこなわれる諏訪大社の「御柱祭」にあわせ、「鳥影社」
から発行されました。




竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)

竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)