女神さまとの約束


女神さまとの約束26


「おじいさん。元気でくらしてね。おじいさんとの
生活、楽しかったわ。まごのようにかわいがってい
ただきありがとうございました。私こそ、ありがと
うございました」
初めて世話をしたおじいさんのことは、ふくの心に
強く残りました。



おじいさんが家に帰ると、いれかわりに今度は足の
悪いおばあさんがやってきました。はって歩いてい
たおばあさんでしたが、二週間後には歩けるように
なってもどっていきました。
一人が元気になると、白駒はまたどこからか次の病
人をつれてきました。



足腰もたたない病人を、どうやってこの岩場につれ
てくるのか、ふくはふしぎに思いました。
ふくは、白駒がつれてきた人の体を、黄金色の花び
らで、やさしくさすってあげます。
すると、今にも死にそうだった人が、何日かすると
元気になりました。



早い人は一週間くらいで、長い人でも一ヵ月すると、
元気になって家にもどっていきます。
ある日、ふくは白駒に聞きました。
「白駒。ぐったりしている人を、どうやってここへ
つれてくるの?」


つづく