風の神様からのおくりもの


風の神様からのおくりもの4


「女の子よ、助かって本当によかったのー。もう
だめかとわしも心配したぞ」
神様はほっと胸をなでおろしました。



女の子のことを心もとなく思った神様は、そでの
中からまゆ玉をとりだしました。
「まゆ玉よ、どうかわしのかわりに、この子をしっ
かり守ってやっておくれ。たのむぞ」
神様がまゆ玉をなでると、まゆ玉はきらっきらっと
黄金色に輝きだしました。



神様は祈るような気持で、まゆ玉をそっと縁側にお
きました。
「女の子も助かったし、さてわしも社に帰って休む
としよう」
神様はまた風になって、守屋山に帰りました。


つづく


「風の神様からのおくりもの」は、みほよう
この初めての童話集・「風の神様からのおく
りもの」に収録されています。



http://www.bk1.co.jp/product/2056682



心を病む兄のために、明神様にお参りする心
優しい少女の話など4編。
信州諏訪を舞台に、美しい挿絵を添えて描か
れる心温まる創作童話。




風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話