風の神様からのおくりもの


   風の神様からのおくりもの8



「なにかしら」
近づいてみると、黄金色の小さなまゆ玉でした。
大きさは普通のまゆ玉の半分位。
「まあ、小さなまゆ玉だこと。でもなんて美しいま
ゆ玉なの。こんなまゆ玉はみたことがないわ。だれ
がおいていったのかしら」
おばあさんはまゆ玉を手にのせると、娘とまごのい
る部屋へとんでいきました。



「今縁側でね、このまゆ玉をみつけたの。美しいま
ゆ玉ね。そうそう、この子の名前だけど、まゆとな
づけたらどうかしら。真の優しさと書いて、まゆと
読むのよ」
おばあさんは娘にいいました。



「まゆ・・まゆ・・まゆ。おかあちゃん、まゆって
すてきな名前ね」
女の子のおかあさんはそういって、おばあさんから
黄金色のまゆ玉を受け取りました。


   つづく


「風の神様からのおくりもの」は、みほよう
この初めての童話集・「風の神様からのおく
りもの」に収録されています。



http://www.bk1.co.jp/product/2056682



心を病む兄のために、明神様にお参りする心
優しい少女の話など4編。
信州諏訪を舞台に、美しい挿絵を添えて描か
れる心温まる創作童話。



  童話集「風の神様からのおくりもの」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話