よくばりな犬1
ある山深い村に、一匹の黒い犬が住んで
いました。その犬は、きこりのおじいさ
いに飼われていました。
ところが、おじいさんがなくなってしま
い、えさをくれる人がいません。
黒い犬は、毎日ひっしでえさをさがして
あるきました。
しかし、えさはなかなかみつかりません。
そのため、黒い犬は、いつもはらぺこで
した。
夏のある日。
黒い犬は、農家の庭先で、ひるねをして
いるにわとりをみつけました。
「しめしめ、うまそうなにわとりがいる
ぞ」
黒い犬は、ぱっとにわとりにとびかかり
ました。
そして、にわとりをさらうと、だれにも
みつからない場所で、むしゃむしゃとに
わとりを食べ始めました。
黒い犬にとって、このにわとりはひさし
ぶりのごちそうだったのです。
「あー、うまかったなぁ。こんなごちそ
うを毎日食べることができたら、どんな
に良いだろう」
黒い犬は、そっとつぶやきました。
つづく
この話は、「童話の作り方」を指導してい
ただいた時に、リライトとしてかいたもの。