竜の姿をみた少女


  竜の姿をみた少女24


「おじいさん。おじいさんの胸からもれてい
る光は、何ですか」
「かなは、この光がみえるの」
「はい、見えます。黄金色の美しい光がみえ
ます」



「そうか。見えるのか」
おじいさんは、ふところから黄金色の玉をと
りだしました。
「私、さっきから、その光が気になってしか
たがありませんでした」
「それで、わしの胸ばかりみていたのか。
この玉は、真澄の玉じゃ」



「ますみの玉?」
「そう、真に澄むと書いて、ますみの玉じゃ。
この玉はのぅ、わしが諏訪地方を守る竜神
なった時、妻のおとうさんからゆずられたも
のじゃ。



過去や未来がみえる、ふしぎな玉なのだよ。
なくなった人が、あちらの国でどんな生活を
しているか、みえるのだよ」
「じゃあ、私のかあちゃんの姿も、みえます
か」
「ああ、みえるとも。おかあさんの姿がみた
いかい?」


                   つづく



童話「竜の姿をみた少女」は、童話「竜神
になった三郎」の続編。


童話「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に
収録されています。



    童話「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html




    童話集「竜神になった三郎」の紹介


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html



     ビーケーワン

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