竜神になった三郎8
素敵な妻を迎えた三郎をみて、太郎と次郎
は、心おだやかではありません。
「三郎は、良い嫁をみつけたな。なんでも
できるし、その上すげえ美人だ。
ほんとにうらやましいな」
太郎と次郎は、会うたびに三郎の妻の話を
しました。
二人は、三郎がうらやましくてしかたがあ
りません。
なんとかして、幸せいっぱいの三郎を困ら
せてやろうと、二人は相談しました。
人がうらやむほど、仲のよい兄弟だったの
に、どうしたのでしょうか。
「どうやったら、三郎をぎゃふんといわせ
ることができるかな」
二人は、何ヶ月もかけて相談しました。
兄たちがそんな悪い相談をしているとは夢
にも思わない三郎は、今までどおり兄たち
と仲良くしていました。
つづく
「竜神になった三郎」は、みほようこの二
冊目の童話集・「竜神になった三郎」に収
録されています。
「竜神になった三郎」は、2004年4月、
信州の「諏訪大社」の御柱祭にあわせ、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。
わが家のBlogPet「ryuu」の句