女神さまとの約束


   女神さまとの約束3


女の人は、つぎはぎだらけの着物をき
ていました。
女の人は、雪でびっしょりぬれ、寒さ
のためぶるぶるふるえています。



「寒かったでしょ。さあ、早く中へ入
りなさい」
「ありがとうございます。ほんとうに
助かります」
女の人は、ほっとした顔でいいました。



「すぐきがえをもってきます。待って
いてくださいね」
ふくは、母の部屋へきがえをとりに行
きました。
「この着物は、なくなったかあちゃん
の着物です。さあ早く、この着物にき
がえてください」
ふくは、女の人に着物をわたしました。



「そんな大切な着物を・・・私にかし
てくださるのですか。ありがとうござ
います」
女の人は、土間のすみで、きがえをし
ました。


         つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。
「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。