あげはちょうになって


あげはちょうになって1


夏のある日。
ひろは、三才でなくなった。
何か悪い物を食べたらしい。



一ヵ月後。
かなのおじいさんが生まれた。
まるでひろの生まれ変わりのよう
に・・・。



月日のたつのは早いもので、ひろ
がなくなってから、六十年が過ぎた。
ひろは、男の子。
心のやさしい利口なこどもだった
という。



ひろがまだことばがしゃべれない
頃の話である。
冬のある日、ひろは姉が川に落ち、
おぼれているのをみつけた。
ひろは急いで家に帰り、家の人に
「あーうーあー」といって、姉が
川に落ちたことを知らせた。
ひろは、この家の英雄だった。


     つづく