愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「ぼくはボールが大好き」 8


・・・というより、どこかへ落ちたボールが、坂道なので
ころころところがってくるのだ。
野球の部活がある日には、こどもたちが庭へボールを
さがしにくる。
あじさいの木の中や、どての草の中に入ってしまうと、
ボールはなかなかみつからない。
「ちぇっ、ボールがみつからない」
そうぼやきながら、こどもたちが帰っていく。


そんなボールが、あーちゃんの庭にはいくつもころが
っていた。
多い時には、十個位ころがっていた。
あーちゃんの家にきてから、三ヶ月位たった頃には、
散歩のたびにぼくはボールを拾ってくるようになった。
だから、ぼくの小屋のまわりには、ボールがごろごろし
ていた。


              つづく