白駒の池物語


白駒の池物語10


白駒が一才になると、きよは白駒
の背に乗り、八ヶ岳のふもとの高
原を走りまわりました。
白駒は、驚くほど足の速い馬でした。
きよは、こんなに速く走る馬をみ
たことがありません。



白駒は、人の気持がよくわかる、
利口な馬でした。
きよのいうことは、何でもわかるよ
うでした。
そんな白駒を、きよと長者は、宝物
のように大切にしています。



第二章 諏訪からきた少年



二年がすぎました。
まゆみの実がピンク色になった、秋
のある日。
長者の家へ、少年がやってきました。
少年の名前は、清太。
十二才。
心のやさしい、利口な少年でした。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。