白駒の池物語


  白駒の池物語43


「きよちゃん。白駒のことを、聞
いてもいい?」
「いいわ、清太さん。改まって、何」
「白駒って、何才になるの」
「白駒は、私が七才の時、わが家
へきたの。だから、十才かな」



「きよちゃん。白駒は、どこから
きたの」
「それがね・・・、白駒はどこから
きたかわからないの」
「わからないって、どういうこと。
きよちゃん」
清太は、思わず聞きかえしました。



「十年前の秋、とうちゃんは、八ヶ
岳の森へきのこをとりに行ったの。
ところが、夢中できのこをとって
いるうちに、道に迷ってしまった
んだって」



「ああ、その話、長者から聞いた
ことがある。
昨年の秋、麦草峠の近くの森へ、
きのこをとりに行った。
その時、長者は道に迷った話をし
てくれた。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語42


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080917#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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