白駒の池物語


  白駒の池物語67


「何? きよのことが大好きだ・・・と」
長者は、びっくりしました。
その時、清太には、「おまえは、と
んでもないやつだ。おまえは、こ
の家の使用人なんだぞ」という長
者の心の声が聞こえました。



しかし、清太は、きっぱりいいま
した。
「はい。私は、おじょうさまのこ
とが大好きです」と。



「清太。おまえは、この家の使用
人だということを忘れたのか!!」
長者は、強い口調でいいました。
「長者さまにいわれなくとも、私
にはよくわかっております」



「清太。おまえは、自分が何をい
っているのか、ほんとにわかって
いるのか」
長者は、腹がたってきました。
清太にというより、長者は自分自
身に腹をたてていたのです。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語66


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081011#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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