黄金色のまゆ玉21
「明神よ、いつまで奥さんとはな
れてくらすつもりじゃ。
一日も早く奥さんと仲なおりした
まえ」
どこからか声が聞こえてきました。
「そうじゃのぅ。一日も早く妻に
戻ってきてもらわなくてはのぅ」
明神さまは、心の中でそっとつぶ
やくのでした。
あれから、何千年もの月日が流れ
ました。
明神さまは、今も湖の向こう側に
住んでいる奥さんのところへ通っ
ています。
冬になると、明神さまは湖の氷の
上を通り、奥さんのところへ行き
ます。
諏訪の人々は、明神さまのかよう
道を、「おみわたり」とよぶよう
になりました。
おわり
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090122#p1
信州の諏訪湖には、「おみわたり」
の伝説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、おみわたり
の伝説をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。
初めて読んでくださったかたへ
黄金色のまゆ玉1