有明山に住む鬼・八面大王


 有明山に住む鬼・八面大王15


弥助が戸を開けると、若い娘が立
っていました。
娘は、雪でびっしょりぬれ、ぶる
ぶるふるえています。
娘の顔は、真っ青でした。



「寒かったでしょ。さあ、早く中
へ入りなさい」
さくが、娘に声をかけました。
「ありがとうございます。ほんと
うに助かります。
夜遅く、しかも大みそかの夜に、迷
惑をかけもうしわけありません」



「困っている時は、おたがいさまじゃ。
今、きがえを持ってくるで、待ってい
ておくれ」
そういって、さくは部屋へきがえをと
りにいきました。


              つづく



   昨日の分はこちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090507#p1



   初めて読んでくださったかたへ



   有明山に住む鬼・八面大王1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090424#p1