有明山に住む鬼・八面大王29
一月二十日。
長く降り続いた雪が、やっとやみ
ました。
「雪がやんだので、これでおいと
まします。
長い間、本当にお世話になりました。
ここでの生活、とても楽しかったで
す。ありがとうございました」
「雪はやんだけれど、こんなに雪が
積もっていては無理じゃ。
あやさん。雪がとけるまで、ゆっく
りしていきなさい」
さくが、あやにいいました。
「そうじゃ。春までゆっくりしてい
けばよい。
春になれば、雪もとけるだろう」
弥助が、いいました。
「ご迷惑では・・・」
「わしらは、あやさんと暮らした
いのじゃ。
暖かな春になるまで、ゆっくりし
ていきなさい」
つづく
昨日の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090521#p1
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有明山に住む鬼・八面大王1