開善寺の早梅の精


  開善寺の早梅の精9


文次は、誘われるままに、梅香の
後をついていきました。
そして、文次は、りっぱな書院に、
案内されました。



床には、禅語の軸がかかっています。
唐胴の一輪ざしには、梅がさして
ありました。
部屋の中は、梅の花の香りでいっ
ぱいでした。



「文次さん。ちょっと待っていて
くださいね」
そういって、梅香は、奥へ入って
いきました。
そして、酒と料理を運んできました。



「さあ、文次さん、どうぞ。
体が温まりますよ」
梅香は、文次に酒をすすめました。
「うまいっ」
一口酒を飲んだ文次は、思わず声
をあげました。


              つづく



   昨日の分は、こちら。


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   初めて読んでくださったかたへ


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