井戸で鳴く黄金色のにわとり2
梅の花が何輪か咲き始めた春のあ
る日。
東の空に輝いていた金星が、南ア
ルプスの向こうへ消えていきました。
すると、東の空がだんだんに明る
くなってきました。
「ぱさっ」
にわとりが、空に向かってまいあ
がりました。
るり姫がかわいがっている、黄金
色のにわりでした。
にわとりは天守閣にとまると、
「こけこっこー」
「こけこっこー」
大きな声で、時をつげました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。