ふしぎな鈴


   ふしぎな鈴11


「ふしぎな鈴って…どんな鈴な
の?」
「その鈴はね、桜の花びらの…鈴
でね」
「みんな聞いた? 桜の花びら
の鈴…ですって」



「その鈴を…靜かにリーン・リー
ン・リーン…と何回かふると、私
たちのような花や小鳥と…お話す
ることができるんですって」
「それ、本当なの?」



「本当よ。私…あるかたから…聞
いたのだから。
でもね、…本当にやさしい心を持
っている時しか…お話ができない
そうよ」



「私たちも…一度…小桜姫さまと…
お話がしたいわね」
とぎれとぎれでしたが、桜の花が
こんなおしゃべりをしていたのです。


            つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100623#p2



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。



http://www.bk1.jp/product/02593627