ふしぎな鈴


   ふしぎな鈴46


「どうして、かなは桜の鈴のこ
とを知っているの?」
「とうちゃんがなくなる時、小
桜姫さまは二つの鈴を大切にし
ていたのだよって、話してくれ
たから・・・」



「そうだったのか…。かな、おと
うさんがそういったのか。
この鈴はね、小桜姫が大切にして
いた桜の鈴だよ。



でも…この鈴のことは、誰にも話
してはいけないよ。
かな、この鈴をいつまでも大切に
するのだよ」
そういうと、校長先生はゆっくり
丘をくだって行きました。



校長先生から桜の鈴をもらったかな
は、毎日りゅうと散歩しました。
「りゅう。りゅうはどこからきたの?」


             つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100728#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。