ふしぎな鈴


   ふしぎな鈴48


かなとりゅうは、いつもの道を走
ったり、歩いたり、休んだりしな
がら散歩しました。
細い道のまわりには、ずっとたん
ぼが続いています。



たんぼにはかりとったばかりの稲
が、はざ(稲を干すためのたな)に
かけてありました。
はざのまわりを、赤とんぼがすー
いすーいととんでいます。



雲ひとつない真っ青な西の空が、
だんだんにうすいクリーム色に変
わってきました。
かなとりゅうは、たちどまって西
の空をじっとみていました。



すると、空の色がうすい橙色から、
濃い橙色になりました。
「なんてきれいだろう」
みていると、もっと美しいあかね
色になりました。

 
             つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100730#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。