ふしぎな鈴56
先生は、春休みに三浦半島へ旅
行に行きました。
油壷を訪れた時、とてもなつか
しい気がしました。
「初めてきた場所なのに、なぜ
なつかしい気がするのだろう」
先生はふしぎに思いました。
「かなはなんて清らかな目をし
ているのだろう。
こんな目をした人と、いつかど
こかであったことがあるような
気がする。
どこであったのだろうか」
先生は、かなのことが気になっ
てしかたがありません。
古杉先生がこの学校にきてから、
二週間くらいたちました。
かなとりゅうは、丘の上へ散歩
に行きました。
丘には大きな桃の木があり、桃
の花が何輪か咲きはじめたとこ
ろでした。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100807#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。