ふしぎな鈴57
「ギィーギィー」
ボートをこいでいるようなきみょ
うな音が、どこからか聞こえてき
ました。
「何の音だろう?」
かなは音のする方をみました。
小さな鳥が、桃の枝にとまってい
ました。
「初めてみる鳥だけれど、なんと
いう鳥だろうか」
かなは、その鳥をじっとみていま
した。
すると、古杉先生がやってきました。
「かな、何をみているの?」
「先生、あの鳥はなんという名前?」
「ギィーギィーって、鳴いていただろ。
あれはね、こげらという鳥だよ。
きつつきの仲間だよ」
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100808#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。