ふしぎな鈴54
ー ふしぎなリュック ー
かなは四年生になりました。
かなの学校へ、古杉先生が転校
してきました。
小柄な色の白い先生でした。
先生はかなのクラスの担任にな
りました。
先生は、いつも背中に、灰色の
リュックをしょっています。
そのリュックは、さんざん使っ
たものらしく、古い物でした。
かなはリュックをみるたびに、
「新しいリュックを買えばいい
のに」と思いました。
初めて灰色のリュックをみた時
から、かなはリュックのことが
気になってしかたがありません
でした。
「なぜ灰色のリュックのことが、
気になるのだろうか」
かなはふしぎに思いました。
古杉先生もかなの顔を初めてみ
た時、いつかどこかで会ったこ
とがあるような、とてもなつか
しい気がしました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100805#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。