ふしぎな鈴


   ふしぎな鈴47


「ぼくはね、遠い国からきたんだ。
かなさんのおとうさんにたのまれ
て、この国へきたんだよ。
おとうさんはね、あちらの国で元
気で暮らしているから、心配しな
いでね」
りゅうはそういいました。



りゅうは気の強い犬でしたが、人
の気持がわかる利口な犬でした。
かなは、りゅうの顔を初めてみた
時「この犬は、とうちゃんの顔に
そっくりだ」と思いました。



   ー お月さまの耳かざり ー



秋のある日。 
かなはりゅうといっしょに、散歩
に行きました。
りゅうは散歩が大好き。
かなの顔をみると、「散歩にいこ
う、散歩にいこう」と、大声でさ
いそくします。


            つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100729#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。