ふしぎな鈴38
たんぽぽやすみれやれんげの花が、
野原一面に咲いています。
空はまっさおで、黄金色の太陽が、
目の前にきらきらとかがやいてい
ました。
花のまわりを、白や黄や紫のちょ
うが、ひらひらまっています。
はるかむこうに、小高い丘がみえ
ました。
丘の上で、誰かが手をふっています。
かなは丘にむかって、広い野原を
どんどん走りました。
「おとうさんではないだろうか」
丘の上で手をふっていた人も、か
けおりてきました。
やはりかなのおとうさんでした。
「とうちゃーん」
かなは、おとうさんの大きな胸の
中に、とびこみました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100720#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。