ふしぎな鈴37
かなは、おそるおそる朝顔のつる
につかまりました。
すると、どうでしょう。
朝顔のつるが、するすると動き出
したのです。
まるでエスカレーターに乗ってい
るような感じでした。
かなの家が、かなの住んでいる村
が、どんどん小さくなって、とう
とう見えなくなってしまいました。
朝顔のエスカレーターは、途中止
まることなく、空にむかってどん
どんのぼっていきます。
「かなさん、つきましたよ」
その声で、かなははっとわれにか
えりました。
ついた所は、広い野原のまんなか
でした。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100719#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。