ふしぎな鈴13
姫は何度も鈴をふり、桜の花に
話しかけました。
「こんにちは。私、小桜よ」
「……?」
「はじめまして。私、小桜です」
「……小桜?」
桜の花がとまどっている様子が、
姫にもわかりました。
「桜さん、聞こえますか?」
姫は、桜の花に話しかけました。
すると、しばらくして。
「はじめ……まして……小桜姫さま。
こんなに早く…姫さまと……お話が
できるなんて……うれしいわ」
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100625#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。