女神さまからのおくりもの35
「おじょうさまは、いつもわしらに
『ご苦労さま』って声をかけてくれる。
おじょうさまのことばを聞くと、疲
れがいっぺんにふきとぶね」
「笑顔が、すてきだね」
やしきで働いている人たちは、みん
なきよが好きでした。
一方、清太も、「清太や、清太や」
といって、みんなにかわいがられて
います。
「おじょうさまと清太は、ほんとう
に仲がいいね。
兄と妹みたい。いや、それ以上かな」
やしきで働いている人たちは、きよ
と清太のことを、温かく見守ってい
ました。
梅雨があけたある日。
きよが、馬小屋へやってきました。
「清太さん。ゆうすげの花って、み
たことがある?」
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101103#p1
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